ナミビアの言語〜公用語としての英語

ナミビアでは、日常会話の言語として英語(公用語)と現地語が話されています。
公用語としての英語教育は1990年の南アからの独立後、政策的に導入され、
以来わずか30年足らずで英語公用語化に一応成功しています。

公式の場である学校や職場では強制的に英語が話されるため、
学生やホワイトカラー、サービス業の人たちは難なく英語を操ります。

地域別に見ても、ほぼ全国で英語が通じますが、地方に行くほど英語よりも
部族語の比率が高くなります。また年配者のなかには、部族語しか話せない人もいます。

ところで、ナミビアの英語教育は、日本の英語公用化に向けた
ケーススタディとして非常に興味深いです。

国際協力で技術支援をやっていると、相当気を付けるつもりでも
上から目線になっている自分に気付くことがあります。

しかし実際何もかも自分たちのほうが進んでいるなんてことはなくて、
開発国がある特定の項目に関して先進国より先を行っているという
事例も多々あります。ナミビアの英語公用語化政策はまさにそれです。

ナミビアの英語公用化のメリットは2つあると思います。
ひとつは英語圏からシームレスに情報や人材、観光客を呼び込める等の恩恵で、
ナミビアの目覚ましい発展の直接原因と言っていいと思います。

加えて、ナミビアには多民族(部族)国家ならではの英語公用語化のメリットがあります。
ナミビアは、人口200万人に対して、部族語が10余り存在するという特徴があります。

部族内のコミュニケーションは部族語で済みますが、部族間の意思疎通が課題としてあり、
そこで政策的に英語公用語を推進し、国家の統一を目指したわけです。

興味深いのは、マジョリティの話す言語を公用語にしなかった点です。
オシワンボやアフリカーンスを公用語にしていたら別の未来になっていたと思います。
また、国家の統一という観点は現代の日本人には馴染みのない感覚ではないでしょうか。

このように英語公用語化にはメリットも多く存在する一方で、デメリットも少なからず
存在しています。日本人同様、ナミビア人も英語習得に相当の苦労をしており、英語以外が
疎かになっています。国の発展には語学力よりも優先すべきことがあって、ナミビア人と
日々接していて思うのは、彼らは数学的思考力、想像力、計画性、自助精神、他者理解などに
改善の余地があるということです。語学やファッションなどに表層的なものに惑わされずに、
これらのダメージケアを急ぐ必要があります。

他方、日本は翻訳文化の国で、外国由来の概念を摂取し、母国語化することで、
みんながみんな英語をやらずに済み、技術革新に時間をかけることができました。
しかし同時に外に向かう機会を失ったとも言えます。

ナミビアは外に向かう力があっても輸出する産品はまだ少ない。
いまはそのバリエーションを増やし、各々に価値を高めていくのが、
英語以上に優先すべき事項だと思います。そのためには数学的思考や
想像力などが土台として必要となってくるのではないでしょうか。

また、外へ向かう力といえば聞こえはいいですが、それは同時に外から入られやすい
ことも意味します。事実、ナミビア人は依然ドイツや南アなどの外国資本に搾取されており、
経済的な独立にはまだ時間がかかりそうです。

そんななか、ナミビアではナミビア製品を買おうという動きもあります。
それがTeam Namibia(チームナミビア)です。Team Namibiaの公式ウェブサイト上で

以下のように定義されています。

Founded in 2003, Team Namibia is a Section 21 company (association not-for-gain) that enables Namibians to advance their own economically sustainable future by promoting the use of local products and services.Team Namibia members support the country’s national objective of sustained economic growth, as set out in the National Development Plan.

私は日本で買い物をするときはなるべく日本のものを買うようにしてきましたが、
ナミビアで買い物をするときもなるべくナミビアのものを買うようにしています。
チームナミビアはその目印になっています。(1,792字)

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